心理カウンセリング

心理カウンセリング

相談者の抱える悩みや相談に、専門的な知識・技法を用いて解決に導く為に、心理カウンセラーは「カウンセリング心理学」を学びます。

心理カウンセリングについて

  1. カウンセリング心理学とは?
  2. 心理カウンセリングの技法とは?

1.カウンセリング心理学とは?

人間関係を研究対象とする心理学です。

人間の性格・行動はどのように形成されるのか、問題行動はなぜ発生するのか、治るとはどういうことか、健常に戻るとはどういうことか、クライエントが変っていくにはどんな条件が必要かを理解することです。

心理カウンセラーは、カウンセリング心理学を習得した上で、主に問題を抱えた健常者への治療的カウンセリングと、問題を抱えている訳ではないが更に成長したい健常者への開発的カウンセリングを行います。

☆心理療法について

来談者中心療法

1940年にアメリカの心理学者カール・ロジャーズによって提唱された心理療法です。この療法は来談者中心ということで、何に傷つき、どのようにしていくべきか、どんな問題があるのか、どんな経験をしてきたのか等知っているのはクライエントだけなので、クライエント自身がどう感じ、どのようにしていくのかを取り組んでいきさえすれば、心理カウンセラーが知識を持って指示しなくても、クライエント自身が気付き成長していくことが出来ると言うことです。

そのための条件として治療的パーソナリティ(自己一致・無条件の受容・共感的理解)が必要です。自分が感じていること考えていることが歪められていないか、クライエントを一切評価せず無条件に受け入れているか、クライエントの思いを汲み取り受け入れ共有しながらも同一化や感情的にはならないことです。それが実現されてこそクライエントが一体感を感じ、ラポール(信頼関係)を築けてクライエントの自己成長に繋がります。

交流分析療法

交流分析とは、1957年にアメリカの精神分析医エリック・バーンによって開発された理論です。「互いに反応し合っている人々との間で行われている交流を分析する」というものです。これには4つの基本理論があり、構造分析(自身の中で起きていることを理解する)、交流パターン分析(二人の間に起きていることを理解する)、ゲーム分析(不快感をもたらす特別な交流の形を理解する)、脚本分析(自身が推している人生プランを理解する)となります。

この4つを分析することで、「自己への気づきを増す」「自律的な生き方をする」「真実の交流を回復する」という3つの目的を果たします。

クライエントにこれらの分析の効果を得てもらうために、チェックリストや図式、グラフを用いて見ながらフィードバックを行うこともあります。

2.心理カウンセリングの技法とは?

「来談者中心療法」ではそれを進めるために、心理カウンセラーの態度や言葉による手段が必要です。この手段のことを技法といいます。技法を使うことで治療的パーソナリティを実現化させますが、これを「傾聴」といいます。傾聴には非言語による技法として「かかわり行動」、言語による技法として「かかわり技法」があります。

☆かかわり行動

  • 視線を合わせること
  • 身体言語・・・身振りや顔の表情などに気をつけること
  • 声の調子に気をつけること
  • 言語的追跡・・・クライエントの話の内容に注意を集中すること

☆かかわり技法

  • 沈黙・・クライエントの内的対話を促進すること
  • あいづち・・クライエントが安心して内的対話を促進出来るために
  • 繰り返し・・クライエントが内面を整理でき自己洞察を深めていくために
  • 気持ちをくむ・・クライエントの感情をそのまま受け取り伝え返していくこと
  • 要約・・心理カウンセラーが考えや気持ちをまとまりのある言葉で伝え返す
  • ドアオープナーの言葉・・考えや気持ちに焦点を当てる質問技法

以上が基本的傾聴と呼ばれるものですが、これらを土台にして難易度の上がる積極的な技法があります。

☆意味の反映技法

人の行動・感情・思考の中に隠された意味を見いだしていく技法です。

  • 転職はあなたにとってどのような意味がおありですか?
  • そのように考えるとあなたにとってどのような意味がでてきますか?

☆積極技法

「指示」・「論理的帰結」・「自己開示」・「フィードバック」・「解釈」・「積極的要約」・「情報・助言・教示・意見・示唆」・「対決」

上記8項目は、クライエントに直接的に影響を及ぼす技法で、高度な技法になるほどに心理カウンセラーの倫理観や人生観が問われることにもなります。クライエントを操作したり、必要のない経験をさせてはいけませんので、扱いには気をつけるべきです。

積極技法を使う際の原則条件

1.ラポールが築けていること

2.理論的枠組みにそっていること

3.クライエントが成長できること