人は自分の心を守るために、無意識に心に保護的働きをかけます。
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防衛機制とは?
自分自身の内的世界と外的世界(現実)の両方を生きるうえで、耐えられない状況や危険な状況に晒されると、葛藤や矛盾から苦痛・不安・不快・罪悪感に脅かされます。
このような情動を無意識に追いやり、不安や苦痛から身を守るまた、心の安定を保つための心理的なメカニズムを防衛機制といいます。
ありのままの自分を認めてもらえなかったり、自分の欲求が満たされないときに無意識にやってしまいます。
防衛機制の種類
★種類はかなり細分化されていますが、主立ったものを挙げています。
- 抑圧・・・不快な感情、記憶などを意識から拒絶して忘れさせる心の働きです。⇒大事故に遭って記憶を亡くしてしまう。安心できる状態になったとき、ふと気付くことがある。
- 否認・・・認知はしているがそれを認めると不安になってしまうので、認めないようにする心の働きです。⇒人をひいてしまった!でも認めたくない。。冷静になれない。
- 隔離・・・受け入れがたい現状と感情を切り離し、体験した感情を麻痺させる心の働きです。⇒ものすごい恐怖体験をしてそれを人に話すとき淡々と話す。
- 置き換え・・・ある事象に対する欲求や衝動を他のことにすり替えることによって、その事象からの攻撃や不安などを解消しようとする心の働きです。⇒八つ当たり。
- 知性化・・・個人的にも一般的にも抑圧しておきたい感情や衝動を経験する代わりに、知識を蓄えることで統制する心の働きです。⇒理論で武装する。
- 合理化・・・自分の行為や態度の真の動機を自覚しないで、論理的に受け入れやすい説明をつけて自分の言動を正当化しようとする心の働きです。⇒机上の空論で言い訳する。
- 打ち消し・・・過去の思考、行為による罪悪感や恥辱の感情を、それとは反対の意味を持つ行為により無かったことにしようとする心の働きです。⇒家族と喧嘩をした後にお土産を買って帰り、無かったことにする。
- 昇華・・・抑圧しておきたい強い感情や衝動を直接的に発散せずに、社会的・文化的な好ましい形で発散させる心の働きです。⇒子どもの頃、殴られ弱かったが、大人になってボクサーになった。
- 反動形成・・・抑圧されている強い衝動に対して、それとは真逆の言動をしようとする心の働きです。⇒本当は彼氏が欲しいのに、恋愛には興味がないふりをする。あまのじゃく。
- 投影・・・自分の中のある感情や欲望などを、他者が持っていると思い込む心の働きです。⇒自分が良いと思うものはみんなもいいと思っていると思い込む。
- 取り入れ・・・他者の持っている自分が欲する特徴を自分の中に取り込み、精神的な充実感を得ようとする心の働きです。⇒立ち居振る舞いなどをまねする。
- 同一化・・・対象になる他者を模倣し、その対象と同じように考え感じ、一体化したように振る舞う心の働きです。⇒完璧になりきる。「取り入れ」の行き過ぎ。
- 退行・・・現状よりも以前の状態か、それより未発達な段階へと逆戻りすることで、不安解消や充足を得ようとする心の働きです。⇒赤ちゃん返り。
防衛機制の存在意義・私的見解
防衛機制は、一時的な適応機制ともとれますが、一時的に安定を得られても最終的に良い結果に行き着くとは言えません。本来、人の持っている自我、成熟性、健全性を磨いて自身を高めていくことが望ましいと思います。
とはいえ、自分を守るための心の機能でもあるので、全てを取り払うことや無視することは出来ません。
この防衛機制を少しでも理解して、第三者的に「今、自分には防衛機制が働いてるんだな」って認識するくらいでも良いんじゃないかなと思います。
MIYAKO
防衛機制は無視出来ない!理解して上手く付き合っていくくらいで良いよね!